刑法的思考のすすめ 仲道 祐樹

 皆さんは刑法について、どれくらいご存じでしょうか。私はほとんど知りません。

 本書では、身近な犯罪(マスコミ報道などでよく聞くという意味です。)を取り上げて実際の刑法がどのように適用されるのかなどを解説しています。

 「殺人罪」、「窃盗罪」、「名誉毀損罪」、「詐欺罪」などについて書かれています。また、「死刑制度」存続の是非についても取り上げています。

 ニュースなどで言う「殺人」と「過失致死」のちがいが良く分からないことはありませんか。でもこの本を読むと、裁判では因果関係と論拠を基に裁定されていることが分かります。「故意」に人を殺す(殺意がある)場合が殺人で、「故意」がない場合が「過失」となります。ここまでは簡単ですよね。

 ほかには、「脳死」イコール「死」としないと臓器移植ができないとか、陣痛が始まった時点で胎児は法的な「人」になるので殺人罪の対象にもなるというように、「人」の始まりと終わりを法的に規定しないと「殺人罪」などの適用範囲が決まらないなど、考えたことなかったようなことも分かります。

 さらに、「ちょっと借りた」は窃盗罪になるのか、「名誉棄損罪」と「侮辱罪」のちがいと「知る権利」や「報道の自由」などとの関係。また、特殊詐欺での「受け子」の罪の重さはどの程度かなど面白いネタがいろいろあります。

 SNSへの書き込みは「名誉棄損罪」または「侮辱罪」になり易いので、注意が必要です。刑法二百三十条一項の条文には、「公然と事実を適示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。」とあります。嘘でもホントでもだれでも閲覧できるSNSに名指しでいろいろ書くと罪に問われることがあるようです。

 罪を犯さないようにするため、また、冤罪に巻き込まれないようにするためにも、読んどいたほうがいいかもしれません。知らないって怖いですね。