新しい封建制がやってくる

おススメポイントは?

グローバル中流階級への警告

みなさんは「封建制」というのは学校で習ったのでご存じだと思いますが・・・。なんとなくはわかりますかね。この本では、江戸時代に終わったとされている「封建制」が現代に蘇ってきているという話です。

 「新しい封建制」は、富が少数者の手に集中する「新しい形の貴族制」のこと。社会の階層化が進み、社会的上昇の機会が狭まって身分が固定化されてきています。2030年には上位1%の富裕層が世界の富の2/3を支配することになりそう。また、中流階級の衰退と社会的格差の拡大が進むことになるようです。

 封建制身分の新旧対照表

 第一身分第二身分第三身分
中世聖職者貴族平民
現在有識者寡頭支配層中流階級、労働者

 寡頭支配層    :アップル、アマゾン、グーグル、フェイスブックなど巨大IT企業のリーダー(テック貴族)。いわゆる上流階級。民衆の不満を抑え込むために、ベーシックインカムなどの福祉国家的な政策に積極的になっているが・・・

有識者        :大学教授、科学者、知識人、教師、コンサルタント、弁護士、政府職員など国民の意識や政策に多大な影響を及ぼし得る立場の人々。中世の聖職者は、来世を約束することで現世の苦難を平民に受け入れさせていた。現在の有識者は、「グリーン教」と「トランスヒューマニズム」を推し進めている。

「グリーン教」、「グリーン資本主義」:有識者は、地球温暖化による環境破壊が人類滅亡につながるなどの宗教的な終末思想を推し進めて、経済成長の抑制を主張する。労働者には温暖化対策の代償(質素倹約など)を押し付けて、自分たちは豪華な別荘、クルーザー、高級車などを所有して優雅に暮らしている。グリーンリッチ=環境成金ともいわれる。

 「トランスヒューマニズム」:人工知能技術などのテクノロジーにより、人間の脳をアップロードしてデジタル保存する技術など永遠の命を追求している。高価なので第三身分には手が出ない。

 これまで防波堤(安定装置)となってきた中流階級は衰退して、社会の2極分化(格差の拡大)が進んできている。現代版の「農民の反乱」も発生している。

 農民の反乱:フランスの黄色いベスト運動、トランプ大統領の当選、イギリスのEU離脱、ヨーロッパでのネオナチ党、ブラジルやフィリピンの権威主義的政権のこと。

 著者は最後に、第三身分(平民)の若者は、もっと文化と歴史を勉強して未来を切り開いていくべきと意見を述べている。「ぼーっと生きてんじゃないよ」ということか?