当確師 真山 仁 中公文庫 / 2015年12月
選挙
参謀(選挙コンサルタント)の話です。2020年にテレビドラマになっているので、見られた方もいるのではないでしょうか?
今、選挙といえば自民党の総裁選挙とかアメリカ大統領選挙ですね。少し前には東京都知事選挙も話題になっていました。皆さんは選挙にどれくらい関心がありますか?選挙で世の中が変えられるのでしょうか?
選挙は候補者だけでできるものではなく、支援者や多くのスタッフに支えられています。この本の主人公は、当選確率99%の選挙コンサルタントすなわち当確師です。この話はフィクションですが、本当にこんな人がいるのでしょうか。
冒頭から「候補者にとって選挙は一世一代の大博打であり、敗れたら社会的地位も私財も失う。」、「当確師の最大の醍醐味は、盤石といわれる現職を叩き潰すこと」、「選挙でこの国を浄化する。」、「政治なんて何をやっても変わらないと、諦めてはいけない。民主主義の主役は有権者だ。」というモノローグがあります。・・・熱いですね。
ほかにも、「ITを駆使すれば何でもできる時代になっても、政治の世界だけは、泥臭い人間関係の隙間から取ってくる人的情報がいまだに最も有力だ。」、「20代と70代の投票率には3倍以上の差がある。」、「若い世代が「投票なんて無意味」だと政治に無関心になったほうが、政治家にとっては好都合」、「無料サービスばかりを求める市民から金をむしり取り、より意味のある使い方をいかに考えるかが行政だ。」などの蘊蓄もてんこ盛り。
そして、「選挙は出馬を表明した時には、票読みは終わっている」とのことで、当選の目途がついたときに出馬表明をするらしいです。そしてそして、選挙の告示が出る直前に、当確師は報酬を頂きお役御免。その後はアドバイスをする程度で報酬は一切もらわない。出馬後に選挙参謀として報酬をもらうと公職選挙法違反になるからとのことだが、このへんはいまいちよくわかりません。当選すれば成功報酬をもらうそうですが・・・。相手陣営の結束を乱すための切り崩しの手法、疑心暗鬼を呼び起こさせるやり方など、ほとんど詐欺師のよう。徳川家康が御庭番(忍び者)を使ったりして、敵の主力を寝返らせたやり方にも似ています。
絶対的な支配力を持つ現職の政令指定都市の市長に立ち向かうNPOの代表者の女性は聴覚障碍者。この女性を支援するのが当確師です。この女性はしゃべれないので演説は手話で行い、手話通訳の若者がサポートすることになりますが、こんなハンデを持ってて大丈夫なのか?
候補者それぞれの思惑と駆け引きがあり、当確師(選挙コンサル)はどんな手を打ってくるのか。
なんとなくは知っていましたが、大きな組織票を持つ宗教団体の意向が選挙を大きく動かすようです。ただでは動かないようですが・・・
この本を読んで、現実の選挙の行方を楽しみませんか?
