師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方

“技”をつないでいく職人という生き方

 一子相伝ではない伝統工芸的な職人の師弟を取材した本です。つまり、血縁以外から弟子を取って、後継者を育成している人たちの話です。

 どんな仕事も血統で跡継ぎを決めるのは変なのではないか、と思います。向き不向きは血統とは関係ないのでは?と思います。

 この本では、「庭師」、「釜師」、「仏師」、「染織家」、「左官」、「刀匠」、「江戸切子職人」、「文化財修理装潢師」、「江戸小紋染職人」、「宮大工」、「江戸木版画彫師」、「洋傘職人」・「英国靴職人」、「硯職人」、「宮絵師」、「茅葺き職人」が紹介されています。あなたはどれになりたいですか?この本を読んだら考えてみて下さい。

 ちなみに私がなりたいのは、「文化財修理装潢師」です。日本画や古文書などの文化財の修復や修理を行う仕事です。細かい手作業は嫌いじゃないので。

 さて、この本では、師匠へインタビューしたのちに弟子の1人にインタビューしています。どちらからも印象深い話が出てきます。

たとえば親方側からは、「心から求めて努力した分しか上達できない。」、「少しだけ天狗になれ。自信を持って進め」、「仕事はやらなきゃ上手くならないから、やったもん勝ちだよ。」、「私は弟子にコツを口で伝えています。コツとは理論に近づけようとすることだから、そのほうが早く習得すると思います。」、「・・・惜しみなく言葉で教えます。背中を見て、自分で理解していくほうが深くわかるようになるでしょうが、時間がないんです。・・・」

 弟子のほうからは、「親方に「あれ取ってくれ」と言われると、なぜ今のタイミングなのか考える。」

 などです。

 職人というのは気難しくて寡黙だ、というイメージがあったけど、最近では職人の高齢化や後継者不足で、「背中を見て覚えろ」から「背中も見せるが、口でも教える。理論も解いて教える。」に変わってきているようです。